はじめに
アプリケーション基本機能
先の調査からピックアップしたアプリケーション2種の基本機能の調査を行います。
osTicket
osTicketは日本語化されたアーカイブやサーバアプリを含んだオールインワン・パッケージ配布をDIP社で行っています。 また日本語検索機能の強化が行われていますので日本語拡張版での利用が便利でしょう。
基本機能
osTicketは、WebUI経由で対応を行います。 すでにOutlook等のメール・アプリケーションを利用している場合にはフローの変更が必要となります。
また、スタッフ数が多い場合にはサーバの負荷が大きくなりますのでスタッフ数に応じたサーバ構成を考える必要があります。
WebUI
わかり扱い易いWebUIを備えていますので操作で混乱することは少ないと思います。
ステータス
チケットステータスは、「開始」「回答」「マイチケット」「期限切れ」「完了」の5ステートで構成されていますのでチケットシステムが初めてでもわかりやすいと思います。
SLA
SLA機能は、新規チケット発行時にチケット毎に設定する方法です。
その他
ロック機構がありますので、重複返答が発生しない機能があります。
チケットの分割・統合機能はありません、チケット番号を間違えたり古いメールを流用して返信された場合にはチケットの混乱が発生します。
不具合
メール取り込み
POP/IMAP等を扱えるようですが、GMAILサーバを利用した場合取り込み処理でWebUIが完了しませんでした。 WebUIがTimeoutすると、電話チケットとして発行ができるようになります。
未登録ユーザ以外からもメール経由でチケットを発行することが可能です。
メール・アプリケーションで応答した場合
osTicketにメール・アプリケーションで応答した場合には、カスタマ・レスポンスとして取り扱いされます。
osTicketまとめ
osTicketは、WebUIで利用となりますのでメール・アプリケーションを利用している場合にはフロー変更が必要となります。
WebUI方式へ変更ができる場合やサポートケースが複雑でない場合には利用しやすいとおもいます。
OTRS Free
Perlで作られているヘルプデスク・アプリケーションです。 OTRSは機能拡張を利用することでITSM版にすることができ利用方法で若干手順がことなります。
今回は、helpdesk機能のみの動作確認をおこないます。
OTRSの良いところは、ドキュメントが非常に充実している点だと思います。
600ページを超えるドキュメント(日本語版あります)を参照するとかなりの業務に対応できるのではないでしょうか。
基本機能
OTRSには非常に多くのメニュー項目があります、チケット・キューがraw/Junk/postmasterなどが初期設定されていますのでOTRSのチケット・キューについて理解する必要があります。
WebUI
WebUIはとても高機能で、ロック・チケット、エスカレーション・チケット、未対応チケットを見渡せますし、チケット数とクローズ数がグラフで表示されます。
ステータス
ステータスは、既定で8つあります:
- 新規
- 対応中
- 保留(期限付き)
- 保留(自動完了-)
- 保留(自動完了+)
- 結合済み
- 完了(成功)
- 完了(不成功)
自動クローズ付き保留:保留(自動完了+/-)があるところがいいですね。
SLA
複数のSLA設定、グループ割り当てなどを行えます。
ユーザ単位やグループ単位での自動割り当ても可能ですので、SLA契約ユーザ(ユーザ登録済み)の場合にはSLA適用を自動で行うことが可能です。
OTRS Freeまとめ
高機能で使い始めは少し難しいかもしれません。
カスタマー・サポートに求める機能はほとんど含まれているのではないでしょうか。
まとめ
osTicketとOTRS Freeを仮想環境を使ってテストさせ基本機能を確認しました。
求める機能として「メールサポートに利用できること」からosTicketは要求を満たすことができませんでした。
次にOTRS Freeでredmine事例の運用上の問題点を確認してメールサポートに利用可能かを調査しました。